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2022.01.09

1/8 舞台挨拶 オフィシャルレポート到着❗️

映画「明け方の若者たち」の公開記念舞台挨拶が1月8日(土)、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズにて行なわれ、北村匠海、黒島結菜、井上祐貴、原作者のカツセマサヒコ、松本花奈監督が登壇した。

 

 

これが2022年最初の舞台挨拶となる北村は、年末年始をどう過ごしたかを聞かれ「年末は大規模な歌合戦(=紅白歌合戦)に参加しておりました(笑)。年始は実家に帰って飲み正月みたいな…」と語ったが、これに対し黒島は「年末は大規模な歌合戦を見て過ごしました。とてもよかったです」とニッコリ。

 

本作が12月31日の大晦日に公開され、北村は作品が自分の手元から離れていく「寂しさを実感しています」と心境を語ったが、改めて本作の撮影の日々を振り返り「同世代の若者でこの映画を作れたという思いが撮影中からすごく強くて、大学の映画サークルの自主映画を作っているような感じというか、密度の濃い作品を作っているなと感じていました。2週間くらいの短い撮影期間に、何度も何度もみんなで明け方を見ながら撮影して、『また明日も会える』と思っている間に終わっちゃった印象で、僕自身も思い出深い場所での撮影だったり、劇中の曲も自分が青春と言われる時期に聴いていた曲が使われていたり、撮影期間の駆け抜け方も青春に近いものがありました」と充実した表情で語る。

黒島さんが演じたミステリアスな“彼女”の視点で描かれるアナザーストーリー『ある夜、彼女は明け方を想う』Amazon Prime Video本日1月8日より配信されているが、黒島彼女について「原作で描かれる彼女は謎めいていて、何を考えてるのかな? って思う部分があったけど、彼女視点でカツセさんが書かれた一章が、原作の小説には入っていなかったんですがあって、それを読むと、彼女もちゃんと壁にぶつかって悩んだり、行きづまったりしながら、いまを一生懸命生きようとしている姿が描かれてたので、私は彼女の一番の友だちになって、隣に支えてあげられたらいいなという気持ちで撮影していました。映画を見て、いろいろと思うことはあったりするかもしれませんが、その後、アナザーストーリーを見ていただけたら、ちょっと見え方が変わって共感してもらえるんじゃないかと思います」と語った。

 

 

原作者のカツセは「本編で完結している作品であることは強く言っておきたい」と前置きした上で、アナザーストーリーについて「登場人物それぞれに人生が存在していることを強く思いながら書きました。それぞれの苦悩、葛藤、怒り、哀しみが存在しているよってことを書きたくて書いたので、それが映像化されて嬉しいです」と思いを口にする。

 

 

カツセは映画を公開初日にひとりで観に行ったそうで「後ろの席に座っていた2人の男の子が、エンディングの考察を始めて、それを座って聞きながら泣きそうになって、あまりに嬉しくてパンフレットを買って帰りました。(本作の感想を読んで)賛否があるというのが嬉しかったです。いろんな捉え方ができる作品であるということは、この時代に大切なことだと思っていました」と嬉しそうに語った。

松本監督もカツセの言葉にうなずき「(北村が演じた)“僕”目線の物語ですが、登場人物それぞれの人生があると思っていて、その奥行きだったり、映画では描かれない前後の人生も見えるような感じがして、それが良いなと思いました」と本作への手応えを口にする。

 

僕の親友“尚人”を演じた井上は、バッティングセンターで見事な打撃を披露するシーンのためにかなり練習を積んだそう。「台本を読んだ時、カッコよく打てないとダメだと思って、僕は野球が苦手なので、撮影の1か月半前から(バッティングセンターに)通って、手にマメをつくりながら、打てるようになって挑みました」と語ったが、北村が、劇中で井上が見事に打ち返しているように見えるボールは実はCG技術によるものだと種明かし! 井上は「結果的にCGになったけど、(練習を)やってよかったと思います」と誇らしげに語りつつ、北村を見やり「隣でカンカン打ってるんですよ(苦笑)」と井上の隣で運動神経抜群の北村が見事なバッティングを見せていたという裏話を明かしてくれた。

 

また井上は、北村演じる“僕”がシャワールームで感情を高ぶらせるシーンについても意外なエピソードも暴露。“僕”がシャワーヘッドで壁を強く叩くシーンで、北村が本気で叩いたために「本当にケガをして、(手が)真っ赤になっていた」と明かした。北村は「(演じる上で)1回、本気でやるタイプなので『やってみるか』と本気でブワーッとやったら見事に血だらけに…。爪が半分なくなりましたけど、これが“僕”の痛みだよなぁて思いました」と語り、これにカツセも「すごい解釈!」と驚愕。

朝まで撮影した後の撮影だったそうで北村は「いろんなことがハイになってました。マネージャーにメッチャ怒られました…」と苦笑を浮かべていた。

また登壇陣に2022年の抱負を尋ねると、松本監督は「免許を取りたいのと大学を卒業したい」と語り、井上は「去年の自分を超えたい。新しい挑戦をどんどんしていきたい」と言葉に力を込める。

カツセは「僕はこの『明け方の若者たち』がデビュー作で代表作と言われているので、そこにとどまらず、次の作品、その次…と認めてもらえるようにしたい」と意気込みを口にする。

北村は「2022年はいっぱい失敗できたらと思います。

去年、役者としてもバンドとしても得たものが多かったので、だからこそ一度、立ち止まっていろんなことを学び直したいです。なので、抱負は…『地味に生きる』感じです(笑)沢山学んで中身がぎっしり詰まった“カニみそ”のような人間になりたいです(笑)」と語り、黒島は、そんな北村と対照的に「ハッピーに楽しく1年を過ごしていけたらと思います!」と笑顔を見せる。これにもカツセは「主人公が『地味に』と言って、ヒロインが『ハッピーに』ってこの作品っぽいですね(笑)」とうなずいていた。

最後に北村は本作のコピーなどでも使われた「人生のマジックアワー」という言葉に言及し「ひとそれぞれ、自分が主人公の道があって、そんな日々の積み重ねの一瞬を切り取った映画です。こんな世の中で、生きていくのも大変ですけど、もしかしたらいまが“マジックアワー”かもしれないし、いつか笑い飛ばせる日が来るかもしれません。自分が歩む道、歩んできた道を振り返ったり、前を向いたりできる映画だと思うので、ぜひ楽しんでください」とこれから映画を観る観客に呼びかける。

松本監督は「“好き”という気持ち、“好き”の瞬間がたくさん映っている映画だと思います。何かを好きになるって、めんどうくさかったり、傷ついたり、しんどいこともたくさんあるけど、この映画を観て、みなさんの中の“好き”という気持ちだったり、これから好きになることを恐れない気持ちなどを感じていただけたら嬉しいです」と語り、温かい拍手の中、舞台挨拶は幕を閉じた。

「明け方の若者たち」は全国公開中。